ビッグシングルエンジンの感想
ずっと憧れていたビッグシングル（管理人的には600cc以上を指します）。単気筒で650ccもあるのはどのような性能なのだろう・・・とずっと気になっていた。ぶっちゃけ、単気筒が好きではなく興味がない人も気になると思う。何と言っても軽自動車並みの排気量を持つ単気筒エンジンだし。でもビッグシングルって少ないし、あまり情報ないじゃない？日本のメーカーの単気筒は大多数が250cc以下、それ以上だと400ccクラスくらいしかほぼないので、650ccなんて珍しくてあまり情報がないからね。過去にはKLX650とかXR600（輸入モデルだろうけど）とかもあったみたいだけど。
エンジンを製作したのはオーストリアのメーカーであるロータックス。エンジン製作では非常に有名なメーカーらしい。車体の設計等にアプリリアも関わっているようだ。BMW、ロータックス、アプリリアの3メーカーの合作といえるのが、このF650GSなのだ。
エンジンの感想は、一言で言うと「とても上手くセッティングされている」。650ccのトルクを活かしつつ、適度に回して楽しめるエンジンになっている。もちろんぶん回すと250ccにはできない元気の良い走りを楽しむことができる。ゆったり走りたくてもキビキビと走りたくても楽しい。あくまでも650cc（それでも単気筒最大排気量だが・・・）なので、もっと上のクラスのバイクに乗り慣れている人にとっては非力で大人しく感じるだろうが、何をやらせても高いレベルでこなせる優等生だ。どんなシチュエーションでも、とにかく扱いやすい。まずはこのエンジンを褒めておきたい。自分の求めたひとつの理想である、ビッグシングルは本当に楽しかった。いいじゃないか、単気筒！！
納車から少しの間はノーマルプラグだったけど、後にNGKのイリジウムプラグに交換。低回転時の粘りが増して使いやすくなった印象だ。
すばらしい車体構成
次に車体構成。BMWの日本仕様はローダウンシートが標準で採用されており、足つきの心配はない。さらにF650GSはダイヤルを回してサスのテンションを変えることができるので、シート高を簡単に任意の位置に設定できるようになっている。ある程度高さがあったほうがバランス的には良いだろうが、足つきと安全を優先して低くすることもできる。足つきが良すぎてもかえって乗りにくいので、自分は足の裏が半分くらい着く位置に合わせて乗っていた。
そして、特筆すべきはシート。現在まで自分が乗ってきたバイクで、一番良くできていると思ったシートである。乗り心地が良く、尻が痛くなりにくい、というかまったく痛くならない。この頃にはずっと使っていたゲルザブDが寿命でダメになってしまって捨てていたので、ゲルザブ等は使っていない上での感想だ。これはロングツーリングにおいて大きな武器となった。
車体そのものもすばらしかった。乗っていて、とにかく疲労を感じにくく、気持ち良く流せるのである。装備重量193kg。意外に重そうだが、取り回しに困った記憶がない。おそらく重量を感じにくい、取り回しがしやすい設計になっているのだろう。参考までに、CB400SFの装備重量は201kg。それより8kgほど軽いのだ。
※ちなみに、並列2気筒であるヤマハMT-07は何と装備重量184kg！！日本でもかなり売れたが、メイン市場の欧州でバカ売れした名車
サスペンションも非常によく効き、道路の凹凸通過時もまったくもって快適。エンジン、シート、車体・・・これらが高次元でまとめられていて、走り出してしまえばどこへでも行けそうな、そんな気分にすらなる。ギアもスコスコ入り、ギアチェンジも簡単に思いのまま。
特筆すべきツーリング性能
ビッグシングルと聞くとエンジンの爆発が大きくて振動もすごそうだが、2気筒車かと思えるほど振動が少ない。バランサーが効果的に使われているせいだろうか。「単気筒」＝「振動」と思っていたが、その考えを改めさせられた。実にすばらしい！
購入した車体にはロングスクリーンが装着されていたが、これの防風性能がまたすばらしい。メットの部分に不快な風が来ないので、目に優しかった。これらによって長距離、高速道路の運転でも風に悩まされることがなく、先述したように単気筒のネガである振動に悩むこともまったくなかった。BMWといえばツアラーのイメージだが、イメージ通りのツーリング性能、さすがといったところである。
これを乗っていた当時はまだ新型コロナウィルスは蔓延しておらず、気軽に遠出できた。このバイクの見事な長距離走行性能により、気軽にロングライド・ロングツーリングに出かけられたが、いずれも非常に快適であった。
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