BMW F650GS(単気筒) インプレ・レビュー③(2023/04/29)

BMW

F650GSの欠点

 そんなすばらしいF650GSではあったのだが、もちろん欠点もある。

 第一の欠点は「ヘッドライトユニットの性能が非常に悪く、ライトが暗い」ことである。夜に乗るのが危険で怖いくらいのしょぼいライトである。この、ライトの暗さは非常に危険であり、致命的と言える欠点となってしまった。たとえ車検に通ってても、実際に夜道で使ってみないとわからないものである。

 そこで自分は考えた。「よし、高効率ハロゲンかLEDバルブに換装してしまおう!」と。そこでまずはフィリップス製の評判の良い高効率ハロゲンバルブを用意して、早速付け替えてみる。(バルブ自体の交換は簡単)

 ・・・・・・ダメでした。確かに前より良くはなった。でも劇的というほどではなく、相変わらず夜道が見えづらくて怖い。バルブ自体は強烈なオレンジ色の光を発してはいるのだが・・・。

 そこで次なる一手として、LEDバルブに替えてみる。バイク用の汎用LEDバルブ(安いやつだけど)を用意。知人がセロー250で使っているのを見て「これは良い」と思って同じ物をアマゾンで購入した。バルブ自体の明るさは知人のセローを見て確認している。「これなら大丈夫だろう」と思い、換装してみたが・・・

 何と、高効率ハロゲン使用時より夜道が見えなくなってしまった。まさかハロゲンより悪くなってしまうとは・・・LEDの白い光が発せられにくいのだ。知人のセローはあんなに明るかったのに・・・ここで気づいた。「ライトユニット・リフレクターの性能が糞」であるということに。スパーダの時と同様に、バルブ自体は明るくても、外に放射される光が暗いのだ。それもスパーダよりさらに酷いレベル。えっ、でもツアラーに定評のあるBMWだよ!?2000年のバイクだよ!?何で?と悩んでしまったが、実際、ありえない低性能のライトユニットを装備しているという、厳しい現実がそこにあった。
 この時購入したLEDバルブは後にSL230とシグナスXに、高効率ハロゲンバルブはTMAX500に着けて使用したが、3車ともにライトユニットの性能がかなり良かったので、同じバルブ使用ですばらしい明るさを誇った。このことからも、F650GSのライトユニットの性能が悪いことがわかる。

 困ってしまうほど性能の悪いライトユニット。本当の意味で明るく安全なライトにするには、今時の性能の良いライトにユニットごと替えるしかない。でも輸入車のF650GSのカウルに覆われている特殊な形をしたユニットを替えることなどできない。これがCB400SFのような、普通の丸目のネイキッドのライトのような感じだったらそれも可能だったかもしれないのだが・・・(T_T) でもそれじゃツアラーじゃなくなっちゃうな。

 結局、LEDよりマシだった高効率ハロゲンで乗ることにしたが、やっぱり非常に暗い。光軸を上げればかなりマシにはなるのだが、対向車からパッシングの嵐・・・。光軸を普通にするとパッシングはされなくなるが、見えなくなる。どうしろと?昼間限定で、夜は乗るなということだろうか。

最終的にF650GSを手放した最大の理由となったのが、この酷すぎるライトであった

 第二の欠点としては、「開放型(補水式)バッテリー」ということ。CB750(RC42)も開放型バッテリーだったが、これはRC42のベースとなった車両が1984年くらいのCBX750ホライゾンというものだったため、まだ納得できた。80年代前半のバイクがベースじゃあなあ・・・
 だがF650GSはそのベースとなったエンジンが1993年に開発され、それを装備したモデルももちろんそれ以降に登場したはずなのだが、どういうわけか旧式のバッテリー。性能の悪いライトに加え、旧式バッテリー・・・どうしてこうなった?

※F650GSの補水式バッテリーについての補足

 F650GS(単気筒)は購入前にインプレ等をネット上で見てみたが、「バッテリー液の無くなるのが非常に早くておかしい」との意見を数件見かけた。自分のはどうだったかというと、まったくそんなことはなく、半年くらいして液量をチェックしても殆ど減っておらず、もちろん補充の必要もなかった。これはなぜだろう?
 おそらく上記の意見の方は「F650GSを新車で購入した」方だと思われる。新車に純正装着されていた開放型バッテリーの性能がよろしくなく、液が減るのが早かったのだろう。自分は中古購入、そして購入時にバッテリーは新品(GS YUASA)にしている。自分の場合は「早すぎる液減り」というものが無かったので、その違いだろう。

 第三の欠点、それはタイヤの規格がマニアックということ。タイヤは一度交換したのだが、殆ど使われていない珍しい規格のものらしく、必然的に純正と同じ(確かブリジストンだったかな?)タイヤになった。マイナーな規格なので取り寄せになるし、値段もかなり高かった記憶がある。

 あとは欠点と言うほどのものではなかったが、オイル漏れがある。工場長に相談すると「このエンジンは漏れますね~」と言われた。だが、大量に漏れるわけではなく量は少ないし、漏れてきたらその都度ウエスで拭き取っていたので実害は無かった。下の写真の、矢印の先の丸い部品の所から少しオイルが漏れてくる。

F650GSの燃費

 燃費に関しては、街乗り16km、ツーリング24kmほど。単気筒とはいえ、650ccあるので250cc単気筒のようにはさすがに行かないが、悪くはないと思う。ガソリンタンクは17リットルほど入るので給油感覚が長くて使い勝手は良い。特にツーリングではかなりの距離を無給油で走ることができる。さすがツアラーのBMW。
 ガソリンはハイオク指定。

まとめ

 歴代所持バイクの中で最高のツーリング性能を誇ったF650GS。憧れていたビッグシングルは非常に楽しく、街乗り・ツーリングいずれも楽で快適。自分にとってビッグシングルこそ最高の相棒になるということを、確信した一台となった。

 たがヘッドライトユニットの性能が最低クラスで、夜道が非常に危険であった。当時は夜に乗ることも多かったので、どうしてもその暗さに耐えられずに(やっぱり安全第一!)車検が8ヶ月ほど残っていた状態で、前から興味があった、TMAX500に乗り越えることになった。

 手放して5年くらい経つが、またビッグシングルのあの感動を味わいたいという思いは常に持っている。とにかく自分に合っていたんだよね。
 後継のG650GSのライトは明るくなっているだろうか。G650GS、もしくはXT660Xあたりのビッグシングルにまた乗ってみたいところではある。あるいは昼乗り限定で、F650GSにまた乗る、とかね。G650GSとXT660Xは中古が出てきてもかなり高いだろうしなぁ・・・。また同じバイクに乗りたい、と思わせるほどに自分に合っていた性能であった。

 まったく、小学生はビッグシングルは最高だぜ!!

所有期間:2017年4月~2018年8月

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