HONDA SL230 インプレ・レビュー③(2024/07/16)

Honda

SL230の短所

■フレームが弱い

 乗っていてある程度スピードを出すと気づくのだが、とにかくフレームが弱く、頼りない。車体がガタガタしてくるのだ。軽量化を追求したのはよいが、そのデメリットなのか、フレーム剛性が低い。
 一般道を走るにはまだ問題ないが、高速道路(SLでは結局走らなかったけど)を長時間走った場合、車体がバラバラになってしまうのではないかと思えるほど。とにかく頼りないのだ。

 SL230でフレームがガタガタする度に思い出してしまったのがこれ。のび太が、ドラえもんが部屋に置いたままにしていた、未来のカタログ(「欲しい」と言ったら商品がすぐ目の前に出てくるもの)でたくさん買い物をしてしまい、結局後払いの代金を支払えずに、そのカタログで買った空飛ぶ未来の自転車に乗って未来人から逃げるシーンである。
 結局、欠陥品ということで自転車は回収、のび太が買ったその他の商品は欠陥品であることを黙っていることを条件に無料にしてくれて事なきを得た話なのだが、「最高速度で走っているとバラバラになる」というのがSL230では実際に起きてしまうのではないかと思った。
 自分のSL230は1997年式の初期型。マイナーチェンジ以降のモデルではこのフレームの弱さが改善されているとの情報もネットで見たような気がしたので、買うなら初期型以外がいいかも。高速道路を走らないという人は初期型でもよいかと。初期型のデザインは魅力的だしね。

■エキパイの位置・構造がおかしすぎる

 下の写真の①の部分が該当箇所になるが、スタンディングで乗った場合、ちょうどふくらはぎの横の部分が剥き出しのエキパイ(特に太くなり始める部分)に触れる感じになり非常に熱く、火傷の危険がある。多くのオフ車ではエキパイがフレームの内側を通ってサイレンサーに繋がるように設計されているが、SL230の場合、なぜか外側を通って剥き出しになってしまっている。それなのに、スタンディング乗車時にちょうど脚に当たる部分がサイドカバーで覆われていないばかりか、ヒートガードの類もまったく付いていない。この点に関してはフレーム以上の、SL230最大の欠点、いや欠陥とさえ言えるかも・・・。デザイン上の理由があったにせよ、開発者は何を思ってこんなふうにしたのか、そしてなぜこの件に最後まで気づかなかったのか、理解に苦しむ。同社のXR250やXL250ディグリー、XR230、そしてCRF250Lに至るまで、ここまでエキパイが外に出て、剥き出しになどなっていないというのに・・・
 分厚いオフロードパンツなら火傷の心配こそないだろうが、高熱のパイプに触れ続けることによって、パンツが焦げてしまったり、材質によっては溶けてしまう可能性がある。そもそもエキパイに直に脚が触れること自体、構造的におかしい。ホンダはこれといった欠点が無い、そつなくバイクを作るイメージがあるが、この辺は優等生ではなかったようだ。
 では、オフ車でなければ欠点とはならなかったか?スタンディングではまず乗らないし・・・。答えは「NO」。右に転倒してしまった場合、剥き出しのエキパイはやっぱり危険だからだ。

■ペラペラな外装 

 軽量化のためであろうが、外装がかなりペラペラ。上の写真の②で示した部分は特に顕著で、本当に薄いペラペラな外装になっている。さすがにしょぼすぎる。マイナーチェンジ後はフレーム同様、もしかしたら改善されているのかもしれないとも思ったが、後期型の写真を見る限り、変わっていなさそうだ。せめてもっと厚みがあったら・・・セロー225はここまで薄くなかったぞ。グレーの色はいいんだけど。
 軽くするため・・・うん、それは大事なこと。ただ、もっと別の方法はなかったかな?弱い頼りないフレームと、ペラペラのしょぼい外装。SL230は軽量化のデメリットとして、それが出てしまっている。

■ギアが固い

 ネットを見る限り、多くのSL230ユーザーがこれを感じた模様。毎回ではないが、停止・発進時によく見られる症状で、1速⇔ニュートラル⇔2速がとにかく入りづらい。ギアを変えようとしても固くて動かないのだ。こうなってしまった場合には、バイクを進ませながら繰り返しギアチェンジにチャレンジするしかない。ギアがずっと固まってしまって動かないということはないので。う~ん・・・これはやっぱり大昔のエンジンを使い回したからじゃないのかなぁ~(^^;
 
ただ、自分の乗っていたセロー225W(1993年式初期型)も停止時にニュートラルに入りにくかった。SL230はそれに加えて2速にも入りづらい感じ。セロー225WE(1997年式)はあまりそのようなことはなかったような気がする。

 その他、気になった点としては、ホーンを固定するステーが弱く、ポッキリと折れてしまった件がある。確かオフロード走行(未転倒)した数日後だったかな?ネットを見た限り、ホーンのステーが折れたという人を他に一人発見した。やっぱり弱いのかもしれない。
 ただこれは欠点というには厳しいので、ちょっと気になった点として。21年前の車体なので仕方ない部分もあろう。結局、この時は購入店で応急処置してもらって、手放すまでそれで乗っていた。手放した時にステー代はしっかり引かれたけど、純正部品まだ出るのだろうか?

まとめ

 ホンダがセローの対抗馬として1997年にメーカーの威信を賭けずに世に送り出した、SL230。販売面では奮わずに、2004年モデルを最後に姿を消した悲運のマシン。そつなく作るホンダらしからぬ、短所が目立つバイクとなってしまった。開発費も開発期間もあまりかけられなかったのか、それとも安く仕上げるために露骨に手抜きバイクを作ったのか・・・。せめてエキパイの重大な問題さえなかったら・・・
 大容量10リットルガソリンタンクも、リヤチューブレスタイヤも、同時期にモデルチェンジして発売されたセロー225WEも採用しており、セローに対するアドバンテージにはならなかった。セローの対抗馬として世に出ていなければ、また違った評価が得られたのかもしれないが・・・

 だが後のトラッカーブームによって、SL230のエンジンのスーパーローギアを廃止・5速化して流用して使用したFTR223が大ヒットし、非常にたくさん売れた。結果的にホンダとしてはSLのエンジンを使い回して稼ぐことができたので、それはそれで良かったのかもしれない。SL230自体はそれほど売れなかったが、そのエンジンは後にホンダに多くの利益をもたらせたのだから。
 でもそのトラッカーブーム自体が、ヤマハのTW200(ドラマで木村拓哉がスカチューンカスタム仕様を乗っていたことから人気に火が付いた)から始まったことには触れてはいけない・・・(笑)
 これに関しては、山葉に足向けて寝られないぞ本田!打倒セローで出したバイクは失敗したが、TW200が流行ったおかげで、打倒TWのために出したFTR223で稼げたわけだからな。

 SL230が欲しいという人は、部品が出るかを販売店に確認して購入しよう。2024年現在、生産終了から20年経っているので・・・SL専用の部品、特に外装系はちょっと厳しいかも。FTR223やCB223Sなどとの共通部品なら安心だと思われる。

 ただSL230を選ぶなら、事実上の後継車種であるXR230を個人的にはおすすめしたい。ガソリンタンクの容量は減っているが、上に挙げた重大な欠点も無く、これといった弱点は無さそうに見える。アンダーガードが標準装備じゃなくなり、リアタイヤがチューブレスじゃなくなってしまったみたいだけど。
 排ガス規制のために登場から数年で最終モデルに。そのため発売期間が短く、2024年現在は玉数がかなり少なくなってきたのが残念だが・・・

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