PS250はホンダが82年に発売したモトラというバイクがモチーフになっていることは、そのデザインを見れば一目瞭然である。モトラはスクーターではなく、カブのエンジンが搭載されていて、3速セミオートマティックだったらしい。それに対しPS250はフォルツァのエンジンを搭載した、250ccのスクーターである。2004年に登場し、翌2005年にマイナーチェンジして数年後に生産終了となった。
当時はビッグスクーターブームの後期に当たり、フォルツァが250ccで一番売れていた時期であった。そのフォルツァのエンジンを使って別モデルを・・・ということだったが、不人気でそれほど売れなかった。自分も2台くらいしか見かけたことがない。そして2007年度くらいの排ガス規制であっさり生産終了を迎えたのだが・・・
売れなかったモデルなのでフォルツァなどと比べて絶対数が少ないのか、今では珍しいモデルとのことで、中古車にありえないプレミアがついている。グーバイクを覗いてみても、1~2万km走った中古で生産終了当時の定価(514,500円)よりもかなり高いものが多い。低走行のものだと70万円をゆうに超えるものもある。いくら何でも強気すぎると思う。

PS250はおしゃれに乗るには良いバイクだと思うが、フォルツァのエンジンを使っている以上、スクーターの一種であり、比較対象は普通のビッグスクーターになる。そしてそれと比べると利便性で大きく劣る。シートは小さめで、その下には収納はない。収納が欲しくてリアキャリアや箱を付けるとタンデムシートが使えなくなり、2人乗り不可能になる。カウルやスクリーン等の風を防げる装備もない。特にシート下の収納がないことは、便利で当たり前であるスクーターとしては致命傷だと思う。そのままではメットも荷物も入らないのだから。
当時はフォルツァやフォーサイトと比較して、そちらを買う人が多かったのではと思われる。(特にフォルツァ)
実を言うとかなり前だが、自分もPS250が欲しかった時期があり、今ほどめちゃくちゃな値段が付いていなかったので少し購入を考えたことはあった。だが結局スクーターとして見てしまうので、利便性の無さによって購入には至らなかった。かっこよさは文句ないんだけど。
不人気モデルが、生産終了後にその希少性から後年ありえない中古価格になるのはバイクでは珍しいことではないが、PS250をこの異常な高値で買う人が果たしてどれだけいるのだろう?一部のショップはいつまで強気価格でいられるか、気になるところである。
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