224cc/水冷2サイクル/クランク室リードバルブ単気筒/40PS
自分が乗った、最初で最後の2サイクルMTバイクがDT230ランツァ!「2スト版セロー」とも言われるほど、セロー同様にとても扱いやすい特性が印象的でした!
セロー225W(1993年式・4JG1)を約1年乗った後に乗り換えたのがこのランツァ。現状、自分が所有した最初で最後の2ストミッションバイクになった。かつては50cc原付といえば2サイクルが当たり前で、それだけ2ストバイクは世に溢れていた。昔は2ストの「パァ~ン!」という甲高い排気音は日常で当たり前に耳にしたものだった。ところが厳しい排ガス・騒音規制のために、2ストバイク自体が今では全滅し(レーサー等除く)、4ストバイクでさえ、年を追うごとに規制によって生産終了モデルが続出してきている。
エンジンそのものを無くそうという動きによって、バイクも車も、排気ガスを一切発生しない電動モーターなどの動力源に将来は置き換わってしまうのかもしれないが、バイクは構造的な問題でEV化がしづらく、現行のEVやハイブリッド車はスクーター型にほぼ限られている。スクーター型ならばシート下の収納を無くして、そこにバッテリー積めばいいからね。スクーターなのにシート下の収納が無い・・・そういう意味では、EVスクーターはバッテリーと燃料タンクがシート下にあった、かなり古い時代のスクーターのようだ。とにかくバイクの場合は完全にエンジンが廃止されるには、まだかなりの時間がかかってくるだろう。少なくともあと10年以内とか、そんなに簡単にできるものではない。
日本における2スト一般公道用市販車で、最後まで発売されていたのが自分も所有していたグランドアクシス100で、軽二輪クラスとなると、このランツァが最後に新発売されたモデルとなった。(NINJA150RRは逆輸入モデルなので除く)
1997年1月発売だが、1998年にマイナーチェンジされたのみで、すぐに排ガス・騒音規制によって生産終了。実に2年ほどしか発売されなかった悲運のモデルである。それでも最後の軽二輪2ストモデルだからであろうか、オフ車にもかかわらず、知名度はかなりあるように思える。
1990年代はまだ250ccクラスの2ストオフロードモデルが存在していた時代。ランツァの他にはヤマハDT200WR、ホンダCRM250、スズキRMX250、カワサキKDX220、KDX250などがあった。それらは上級者をうならせる、非常にパワフルで過激なモデルであったらしい。ランツァはそれらとは違い、気軽に扱える2ストデュアルパーパスとして開発された。何と、キック始動が当たり前だったこの手のモデルとしては珍しい、バッテリーとセルスターターが装備されている。これはランツァがDT125Rをベースに作られたことも関係していると思われる。また、フルサイズオフローダーよりも少し小さい車体で足つきもよく、言うならば2スト版セローである。2サイクルでありながら低回転トルクがあり(さすがに4ストほどではないが)、11リットルの大容量燃料タンクとも相まって、自分のような普通のライダーにも扱いやすく、利便性にも優れたモデルとなっている。その分、2ストモデルを上手く操れる腕のある人には、パンチに欠けて物足りないそうであるが・・・。
カタログデータでは最高出力40PSだが、これでも同時期のCRMなどと比べてかなり大人しいそうである。実際「2ストバイク!パワーバンドに入れて、はじけるパワァ最高だぜぇ~~~(^o^)!!」という味付けではなく、低回転でも扱いやすい優しい乗り味。まあ単に自分が下手なせいで、2ストらしさがあんまり体感できなかっただけなのかもしれないが(^^;
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