メッシのPSG移籍に続き、超特大ニュースがまたも飛び込んできた。クリスティアーノ・ロナウドがユベントスを退団し、古巣のマンチェスターユナイテッドに復帰することが正式発表された。
ユベンティーノとしても衝撃の一報であったが、ロナウドがユーベを出たがっていることは何となく感じていたし、どちらにしろ契約が切れる来シーズンでフリーで移籍することはわかりきっていた。移籍先はPSGを有力視していたが、メッシが入団したことによってそれは事実上、無くなった。メッシとロナウドが一緒のチームで戦うのは夢があるが、その場合は「両雄並び立たず」、主役は必ずどちらかになると思われるので、同じクラブでプレーすることはまず無いと思われるからだ。
ユベントスがロナウドを獲得したことも、ロナウドのユーベでの冒険も、結果的には失敗に終わってしまったのだが、それはなぜか?そもそもロナウドは数年前のレアルマドリードのような、全員が世界的選手で固めているようなチームでないと最大限に活きてこない。ロナウドという役満にマドリーのその他の面子という役満が複合し、ダブルどころかトリプル役満級の強さと破壊力を持ったチームがロナウド在籍時のマドリーであった。
それに比べ、ユーベには残念ながらそこまでの面子は揃っていない。特に中盤のクオリティはマドリーとは大きな差があった。マドリーは面子が世界最強クラス、モドリッチ・クロース・カゼミーロという黄金の中盤に加えてロナウドの補佐として最適なベンゼマがおり、効果的に前線まで上がっては質の高いクロスを供給するマルセロもいる。そしてマルセロの穴はセルヒオ・ラモスがカバーしていて隙もないチームだった。
ユーベにはそんなクオリティはとても無かった。その状態でロナウドだけを獲得したものだから、彼を最大限に活かすことはできず、チームは明らかに弱体化してしまった。ロナウドのせいでユベントスが弱くなったのではない。ロナウドを活かす力が無い状態でロナウドを獲得したので、ロナウド本人も持てる力を最大に発揮することはできず、チームも上手く回らなくなったのだ。
ロナウドがペレス会長と給与面でもめてマドリー退団を考えた時、彼の代理人であるメンデスは複数のクラブに売り込みを掛けたと言われているが、その時に応じて獲得したのはユベントスだけだったと言われる。
「あと一歩の所で逃し続けているCLを獲得するため」「クラブのブランド力を高めるため」この2つが当時のメルカード担当者のパラーティチやフロント陣が彼を獲得した理由らしい。最終的にクラブはロナウドの獲得に反対した堅実補強に定評のあったマロッタを追放し、大胆積極補強のパラーティチにメルカート全権を与え、ロナウドを獲得するに至った。
しかし身の丈に合っていないCR7の獲得は、結果的にクラブとロナウド、双方にとってしあわせになれなかったと言っていい。ロナウドが出て行きたがった大きな理由として、今のユベントスではCL制覇などできるわけがなく、自身のバロンドールも獲れないと判断したからだろう。
マロッタを追い出してパラーティチに移籍関連を任せたユベントスは2018/19シーズン終了後にアッレグリ監督を解任し、サッリ→ピルロという意味不明で場当たり的な監督人事に終始し、チームは崩壊、10連覇がかかっていたスクデットをコンテとマロッタのインテルに明け渡しただけではなく、最後の最後にギリギリでCL権獲得という、「どこのネタクラブだよ」とさえ言える酷い状態に至ってしまった。
そんな状態の中、ロナウドはユベントスに見切りを付け、隆盛極めるプレミアリーグ、古巣のユナイテッドに満面の笑みで復帰した。最低限の収穫として、セリエAで得点王を獲って史上初の三大リーグの得点王となったので、悲しいがプレミアリーグに色々な面で足元にさえ及ばなくなってしまったセリエAにいる理由も無くなれば、CLなどとても制覇できない&バロンドールも獲れないユベントスでやる理由も無くなってしまったのだろう。
それでも3シーズン、毎年監督が変わる中でユベントスで頑張ってくれたことには感謝しかない。サッリが途中交代させて、怒って帰ってしまったことなどもあったが、試合に出れば常に全力でプレイしてくれた。前述の通りロナウド本人がユーベを弱体化させたわけでもない。良い別れ方ができなかったのは本当に残念である。
ユーベ斜陽化の戦犯は誰か?他ならぬフロント陣なのだ。


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